柳川秀夫・加瀬勉6・28メッセージ

6.28東峰現地行動に寄せて
柳川秀夫(三里塚芝山連合空港反対同盟代表世話人)

今は6月下旬、梅雨の真っ最中である。三里塚空港は新型コロナウイルスの流行のため旅客機の飛行が極端に減少し、4月12日からは平行滑走路が完全閉鎖されている。平行滑走路の飛行コース下は静かである。
しかし、第3滑走路の建設計画は日々着々と進められている。横堀、丹波山の空港会社用地では工事が連日行われ、滑走路予定地、騒音地区住民への移転工作も進められている。
ただひたすら利潤を追求することだけを求めて空港を拡大することが果たして正しいことなのかが根本から問われている。
今回の新型コロナウイルスの流行はそのことを突き付けているのではないか。
2020.6.28

石井紀子さんを追悼する
加瀬勉(元三里塚大地共有委員会Ⅱ〉

〈一〉三里塚闘争に生涯をかけてきた一人の同志をまた失った。紀子さんの遺志を引き継ぐことは『言うはやすく行うは難し』である。悲しみを力に変えて断乎進んでゆこうではないか。
〈二〉小川明治副委員長が亡くなって天浪の墓地を掘り起こした。小川明治副委員長の棺は反対同盟が作った檜の特製のものであった。三里塚大山の火葬場の施設には入らなかった。市販の棺に明治副委員長の白骨死体を入れ替えて火葬した。空は騒音地獄、地上田畑を奪い、村を廃墟にし、自然を破壊し、コンクリートで埋め尽している。地下に眠るところなどない。紀子さんの遺志を引き継ぐとゆうことは闘うわれわれの血と肉体の中に紀子さんが生きていることである。紀子さんと共に戦いつづけよう。
(三)黒人解放運動家キング牧師が暗殺された。われわれは深い悲しみのなかで抗議行動に連帯して闘ってきた。いま、アメリカで2名の黒人が警官隊に虐殺された。私達はこの悲しみを共有しなければならない。深い哀悼の意を捧げたい。三里塚闘争50年の歳月、国家権カと航空資本に弾圧に次ぐ弾圧、あらゆる迫害と差別をうけてきた。差別と迫害と闘う世界の人々の解放運動と連帯し戦いを進めてゆこう。
〈四)コロナ・ウイルスの世界的蔓延でグローバル化を推し進めてきた世界の政治経済は崩壊の危機に瀕している。権力の自粛の呼びかけのもとにコロナ翼賛体制が生まれた。生存の権利が侵害され抑圧されている。自らの命は自らが守ってゆく、新しい命の尊厳を守り抜く運動を創造しそのための社会変革に立ち上がらねばならない。
〈五)世界各国の航空会社は破産寸前である。成田航空会社も滑走路を一本の運用を停止した。前年度比、105万人の搭乗者があったが、現在は1万8000人に減少した。空港内の営業も8割が店を閉じた。国際空港がゴースト・タウンになった。成田空港は2500億の赤字経営になるとみこしている。空港会社が破産することは良いことである。空港はいらない、廃港を目指して戦ってきた我々にとって喜ばしいことである。30年ぶりに騒音地獄から解放された。
(六)空港建設に反対し「先祖伝来の土地を守ろう」と三里塚の農民が叫んだ時に、多くの労働者と市民が「土地は農民のものではない。土地は社会の公共財である。われわれは家を建てる土地が欲しい」といった。空港はいらないと我々が主張してゆくときに、現在5万の労働者が成田空港で働いている。その人たちの働く場がなくなってゆくのである。生活ができないのである。空港稼働、機能拡大せよとの要求活動が労働者から出てくるかもしれない。空港が稼働し機能拡大の計画が進めば我々の生活は侵害され破壊される。農民と労働者が共に生きる道を追求してゆかなければならない。
〈七)地球環境の破壊は人類生存の危機である。人間の生命の危機である。これは世界の人々の共通認識である。「京都議定書」「パリ協定」「国連環境部会」「各国首脳会議」の指摘、協定である。スウェーデンの環境保護活動家グレタさんは飛行機に乗ることを拒否した。今世界に「飛び恥」の言葉が合言葉になっている。空港は、飛行機は地球環境破壊を促進する怪物以外の何物でもない。化石エネルギー社会からの脱却なくしては人類は生き残れない事がはっきりしてきた。空港建設、機能拡大は人類の生存、生命の危機をさらに促進するものである。我々の生活に敵対するものである。
〈八)私の集落は戸数100戸である。空港機能拡大で騒音地獄となり立ち退きを強要されている。50戸の人々が移転の希望を出している。立ち退きは平和的生存権、財産権、居住権、思想信条の自由、法の下の平等、健康で文化的に送る権利等基本権に対する介入であり侵害である。国家と資本によって自分たちの生活が、人生が、運命が変えられるのである。「移転補償だ」「騒音補償だ」と自己の生活を人生を運命を歴史を自己の良心を売らなければ生きてゆけない社会は不幸であり悲劇の社会である。村人はこのように言っている。「国のきめたことだから諦めしかない」とこの諦めを希望に変える仕事がわれわれに課せられた任務である。私は断乎立ち退きを拒否する。
〈九〉秋田県と山口県に配備されるイージスの計画が県民の反対で中止された。今度は沖縄の辺野古の基地建設を中止させよう。そして三里空港機能拡大計画を中止に追い込もう。「森友問題」「さくらを見る会」「黒川検事問題」「1億5000万と河井議員の買収選挙」等公権力を私物化し、憲法改正をたくらむ安倍内閣を退陣に追い込もう。紀子さんをはじめ三里塚闘争に生涯をかけた同志が安らかに眠ることのできる三里塚の大地をつくりあげよう。
2020・6・28