座標塾第1回「年収103万円の壁」引き上げの何が問題か――人口減少時代の税と社会保障

▼座標塾第1回
「年収103万円の壁」引き上げの何が問題か――人口減少時代の税と社会保障
2025年3月21日(金)午後6時半~9時
講師:白川真澄(ピープルズ・プラン研究所)
参加費 1回1000円(テオリア会員500円)
   第21期通し4000円(テオリア会員2500円)
会場 文京区民センター(春日駅・後楽園駅)、又はZoom=要申込

※要申込。第1回・会場受講申込3月20日まで。Zoom受講申込は3月14日まで。Zoom受講は研究所テオリアの口座(下記)に参加費振込みください。会場受講は当日払いで構いません。
◎参加費振込先 郵便振替 00180-5-567296研究所テオリア

 「年収103万円の壁」の引き上げが大きな政治的争点になっている。「壁」(課税最低限)の引き上げによって所得税を減税し手取りを増やす政策は、物価高に苦しむ人びとに歓迎されている。しかし、この政策には年収の高い人ほど減税額が大きく、逆に103万円以下の人には何の恩恵もないといった不公平さがある。何よりも、減税による大幅な税収減によってケア(医療・介護・子育て)や教育、水道やバスといった住民向けの公共サービスが削られる落し穴がある。
 日本では、税の負担率が実際には低いのに重税感が強く、「税を払いたくない」という拒否感を持つ人が多数である。富裕層や大企業を優遇する不公平な税制、社会保険料の負担増に加えて、政府や政治に対する根強い不信感がその原因である。
 人口減少・高齢化・労働力不足の時代を迎えて、私たちには次の選択が問われている。所得税や消費税の減税によって個人の所得を増やす「自己責任」型の生活保障の社会をめざすのか。それとも税の負担引き上げによって「共同の財布」(財政)を大きくし無償の公共サービスに頼る「連帯と助け合い」型の生活保障の社会をめざすのか。税と社会保障のあり方を基本から学び、論じあう。

▼講師プロフィール
白川真澄
しらかわますみ。1942年生まれ。60年安保闘争、ベトナム反戦、三里塚闘争などの社会運動に関わりつづけ、90年代からは「地域から政治を変える」ことを追求。フォーラム90s、ピープルズ・プラン研究所など理論活動のネットワークづくりにも力を注いできた。著書に『脱成長のポスト資本主義』(社会評論社)『左翼は再生できるか』(研究所テオリア)『脱成長を豊かに生きる-ポスト3・11の社会運動』(社会評論社)『格差社会を撃つ ネオ・リベにさよならを』(インパクト出版会)ほか。

●申込・連絡先 研究所テオリア
東京都北区田端1-23-11-201
TEL・FAX 03-6273-7233
email@theoria.info
(TEL・FAX・メール等でお申し込み下さい)
郵便振替00180-5-567296 研究所テオリア

●座標塾第21期●
 2025年3月~11月
[第1回]「年収103万円の壁」引き上げの何が問題か――人口減少時代の税と社会保障
3月21日(金) 白川真澄(ピープルズ・プラン研究所)

[第2回]トランプ政権の再登場で世界経済はどうなるか
5月16日(金) 金子文夫(横浜市大名誉教授)

[第3回]フェミニズムの現在
7月18日(金) 本山央子(アジア女性資料センター代表理事、お茶の水女子大学ジェンダー研究所特任リサーチフェロー)

[第4回]資本主義の行方――倫理資本主義か、それとも脱成長か
9月26日(金) 白川真澄(ピープルズ・プラン研究所)

[第5回]現代文明の転換点――ヒトはどこへ向かうのか
11月21日(金) 古沢広祐(國學院大學客員教授、「環境・持続社会」研究センター代表理事)