横堀農業研修センター裁判千葉地裁不当判決!

6月16日、横堀農業研修センター裁判で千葉地裁(斉藤顕裁判長)は、成田空港会社の主張を認め、被告にされた三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)と柳川さんら共有者に対して、センターの共有地強制買収・建物強制撤去を命じる不当判決を出した。仮執行宣言はつかなかった。
 反対同盟と共有者は不当判決に対して控訴する。
 16日、横堀農業研修センター裁判を支える会は判決前に千葉県庁前で20人近くが参加して街頭宣伝を行った。
 千葉地裁の6階廊下では開廷25分前に整理券配布、20分前に傍聴券引換が行われた。
満席に近い約60人が傍聴。原告の成田空港会社の出席はなし。
裁判長が空港会社の主張を認める判決を読み上げると傍聴席から憤りの声が上がった。

閉廷後、裁判報告集会が開かれ、62人が参加。
集会で司会の辻和夫さん(事務局)は「判決は、シンポ・円卓会議の合意はなかったかのような歴史を書き換える主張した空港会社の主張を追認するもの」

柳川さんは「話し合いで解決するというシンポ・円卓会議の合意事項について裁判官は別のことだとした。裁判で勝ったことはないが、一方的に押し切るのは時代遅れ。次がどうなるかは何とも言えないが。
毎年、センターで筍を採ってきたので、来年もあそこで筍を採りたい」

吉澤さんは「久しく国家権力と対峙する生活ではなかった。裁判長の話を聞いていて、久々に権力というのはこういう感じだと。僕ら反対運動を虫けらのように踏みつぶす印象を受けた。土地収用と民事裁判は違うという詭弁。結論があまりにひどい。
怒りがわいてきて整理できてないが、闘いが続くということでこれからもがんばっていこうかなと」

佐藤幸子さんは「予測はしていたとは言え、怒りがふつふつとわいてきた。勝ったためしがない三里塚闘争が続いてきた歴史を大事にしなければいけない。
先日、有志で合宿所の資料を整理し、歴史的資料も発見できた。最後の人生を何らかの形で明らかにするようなものを残したい。
国が何十年も虫けらのような形で扱ってきたのに対し、負けないよというのを出したい」

清井礼司弁護士は「ポイントは仮執行宣言がつかなかった。判決確定まで強制執行はできない。確定させないために控訴する。控訴審で負けたら、上告する。判決で論点が示された。
敗北を前提にするのではなく、より積極的に控訴理由を考える。この1月半で多くの意見を幅広く取り込んだ控訴趣意書を出して控訴審を長持ちさせる。その間に使用実績を上げて、活発に使用されているところを強制執行するのは何ぞやという2つの側面で闘っていく」

平野靖識さん(三里塚歴史考証室)は「空港会社は来なかったが、裁判所を舐めている。空港建設でいかなる意味でも強制的手段を取らないという隅谷調査団最終所見に民事訴訟は含まれないというのは歴史修正主義だ」

続いて、判決についての質問が出され、関西の根本博さん、伊達省二さん(合宿所元常駐者)、中川義裕さん(同)、陳述書を提出した鈴木弘子さん(田んぼくらぶ)、岡野純一さんが発言。
今後は東京高裁に控訴の手続きを取る。
6月29日、横堀農業研修センターで裁判報告横堀現地集会・デモが行われる。