座標塾第1回 高市一強政治に対して左派・リベラルは再生できるかを開講

3月20日、座標塾第22期第1回「高市一強政治に対して左派・リベラルは再生できるか」を開講。

大井赤亥さん(政治学者)は講演「有権者の世代交代がもたらす新しい政治の行方」
講演では「2026 年衆院選は自民党が衆院 2/3 を超える 316 で圧勝。私は岡山2区の候補を応援したが、中道は 167 から 49 へ大敗北した。
今回の選挙は有権者の変化を如実に反映。自民党は変化に適応しているが、左派やリベラル派は全く取り残されている。
2012 年以降、「保守・リベラル・改革」の三極は「自公・民主党系野党・維新」に担われ、国政選挙の比例得票数はほぼ「3・2・1」の力関係だった。
公明は自民との 26 年間にわたる連立を解消し、電光石火、立憲と合流し中道改革連合。「改革」を独占した維新は自民と「連立」。参政党やチームみらいなど新興政党の勃興と存在感。「自公・民主党系野党・維新」による「3・2・1」の構図は今回溶解。
24~26年は有権者のボリュームゾーンが55 年体制を支えた「団塊の世代」から「現役世代」へと入れ替わる端境期。25年参院選の最得票率は 50 代以上で自民、30~40 代で参政党、18~29 歳で国民。遠藤晶久は、若者世代は「脱イデロオギー化」、自民党支持率は他の世代と比べて低い。しかし、民主党とその後継政党に対する支持は他の世代に比べてさらに低い。
若年層にとっての政党支持は「自民か無党派かの二択」。「左が欠いた分極化」(小熊英二)。既成政党、特に左派政党の地盤沈下と新興政党の勃興は継続するだろう

現在、高齢世代と現役世代は政治にアクセスするメディアでも二つに分岐。伝統的な選挙方法の「紙・電話」などの媒体はほぼすべて高齢者の媒体。
これらのメディアでは現役世代や若年層にはアクセスできない
自民党はスマホの窓を通し若年や現役を含めて全世代的にバランスよくアプローチした。高市「日本を強く豊かに」動画は1億3000 万回再生。
日本の有権者は「チラシ・固定電話・新聞」に依拠する高齢層と、ネットに情報源を持つ現役世代以下という「二つの国民」に分岐。いわば「二つの世界」がある。自民の勝因は高齢層に向けたどぶ板の手を緩めず、ネットマーケティングも力を入れたこと。

日本の有権者は、やや右よりの単峰型。圧倒的多数が「中道保守」。「中道」の理念の下の立憲と公明の連携は選挙の上では合理的。
中道の失敗は「中道」の定義をめぐる同床異夢。
これからの政党対立は「外交安全保障・憲法」と「社会保障・行財政改革」のどちらかに依存。「外交安全保障・憲法」の争点軸で再び政党対立の線が引かれる可能性はある。「ネオ 55 年体制」は、非現実的であり、望ましくもない。
社会保障・行財政改革」をめぐる本質的議論を。
人口減少、少子高齢化は日本が直面する最大の課題で不可避の争点。人口減少、コストや不便の分配という「負の合意争点」、縮小社会のコンセンサス形成 財政政策・金融政策。これらの課題では、与野党で政策の裁量が限られる

左派・リベラルは再生できるか。
現状の左派やリベラル派であれば、再生は難しい。社民や共産は「社会保障・行財政改革」の具体策を示さず抽象的理想論や平和に「逃避」。
「103 万円の壁」でいうと、来年の手取りを増やすか、いつ実現できるかわからない「学生がアルバイトしないでよい社会」を望むか。実際の大学生の立場になって考えているのは誰かとなる。野党は自らは行政を担わず、与党に困難な仕事をさせてその失政をあげつらうイメージが定着している。
突きつけられる課題としては有権者の世代交代にいかに対応できるか。
世代交代に伴うメディアやデジタルマーケティングにいかに順応できるか
人口減少下の「社会保障・行財政改革」の争点軸における「負の合意争点」を引き受けられるか。その条件下での政権運営の責任に耐えられるか。
上記と矛盾するが、「負の合意争点」の時代にあって政治や政策をポジティブで積極的なたてつけで一貫して提示しきれるか。
米国覇権の衰退、中国の軍事的脅威の実態化、ロシアなど地域覇権の横暴など国際情勢の変化のなかでの安全保障を説得的に示せるか」

質疑応答では、本当の争点をどう可視化するか、SNS選挙、中道、チームみらいの評価などの質問・意見が出された。

次回=第2回 日本経済の現在地――高市「積極財政」・「日本成長戦略」の陥穽
講師:白川真澄(ピープルズ・プラン研究所)
日時:5月15日(金)18:30~21:00
文京区民センター又はZoom=要申込