座標塾第5回 脱成長の立場から日本経済の衰退と再生をどう見るか

▼座標塾第5回 脱成長の立場から日本経済の衰退と再生をどう見るか
2022年11月18日(金)午後6時半
講師:白川真澄(ピープルズ・プラン研究所)
参加費 1回1000円(テオリア会員500円)
会場 ピープルズプラン研究所会議室(水道橋駅徒歩5分、神保町駅A4出口徒歩8分)、又はZoom=要申込
 【ピープルズ・プラン研究所会議室 東京都千代田区神田三崎町2-6-9三栄ビル402】
※再変更になっています。ご注意ください。
※要申込。会場受講申込11月17日まで。Zoom受講申込は11月14日まで。Zoom受講は研究所テオリアの口座(下記)に参加費振込みください。会場受講は当日払いでも構いません。
◎参加費振込先 郵便振替 00180-5-567296研究所テオリア

 世界のなかでの日本経済の衰弱が、危機感をもって語られている。たしかに、コロナショックからの経済回復の過程を見ても、どの国もコロナ感染の再拡大の不安に脅かされているが、米国やEUの回復のテンポに比べて日本の停滞ぶりは際立っている。21世紀に入ってからの日本の経済的地位の後退は、一連の指標で示されている。GDPこそ世界第3位だが、米国や中国との差は開く一方である。国民の豊かさを表す1人当たりGDPは、1997年の世界第4位から20年には19位に下がった。かつて世界をリードした半導体や太陽光発電などの産業は、見る影もなく衰退した。円の実力(モノを買う力)を示す実質実効為替レートは、1995年の150.5(2000年を100とする)から21年10月には68.71と、1972年の水準にまで低下した。
 では、日本経済の衰退と私たちの生活との間には、どのような関係があるのか。労働者の賃金は、この30年間で米国では48%、イギリスでは44%上昇したのに対して、日本ではわずか4.4%、18万円しか上がらなかったという衝撃的な事実が明らかになった。その理由は、日本ではデフレが長く続き経済成長ができなかったことにある、と言われる。だから、自民党かられいわ新選組まで口を揃えて「デフレ脱却」を唱えている。しかし、景気回復・経済成長が実現することと賃金が上がり生活が良くなることとは、別の事がらなのである。景気が回復して人手不足になっても賃金は上がらなかったし、企業は低成長の下でも利益を急増させたが、人件費に回さず内部留保を膨らませてきた。それでは、脱成長をめざす立場から、賃金の引き上げと社会サービスの拡充が実現されるために、どのような経済のあり方を築いていくことができるのか。ともに考えてみたい。

▼講師プロフィール
白川真澄
しらかわますみ。1942年生まれ。60年安保闘争、ベトナム反戦、三里塚闘争などの社会運動に関わりつづけ、90年代からは「地域から政治を変える」ことを追求。フォーラム90s、ピープルズ・プラン研究所など理論活動のネットワークづくりにも力を注いできた。著書に『左翼は再生できるか』(研究所テオリア)『脱成長を豊かに生きる-ポスト3・11の社会運動』(社会評論社)『脱国家の政治学』(社会評論社)『どこが問題!郵政民営化』(樹花舎)『格差社会から公正と連帯へ 市民のための社会理論入門』(工人社)『格差社会を撃つ ネオ・リベにさよならを』(インパクト出版会)『金融危機が人々を襲う』(樹花舎)ほか。

●申込・連絡先 研究所テオリア
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(TEL・FAX・メール等でお申し込み下さい)
郵便振替00180-5-567296 研究所テオリア

●座標塾第18期●
 2022年3月~11月
第1回 「新しい資本主義」の何が新しいのか
3月18日(金)=終了 白川真澄
 
第2回 ポストコロナ時代の政治の構図と課題
5月20日(金)=終了 大井赤亥

第3回 日本の医療をどう再生するか
7月15日(金)=終了 伊藤真美

第4回 デジタル監視社会にどう抵抗するか
9月16日(金)=終了 内田聖子

第5回 脱成長の立場から日本経済の衰退と再生をどう見るか
11月18日(金) 白川真澄