研究所テオリア第12回シンポジウム 日本政治の分岐点

◎講演 維新「身を切る改革」の実態を検証する
 吉弘憲介さん(桃山学院大学教授)

◎講演 日本におけるミュニシパリズムの可能性
 内田聖子さん(アジア太平洋資料センター共同代表)

◆日時 10月15日(日)午後1時開場、午後1時半~4時半

◆会場 文京区民センター2A(地下鉄春日駅・後楽園駅)又はZoom
※Zoom申込は10月7日まで。参加費は研究所テオリア口座(郵便振替 00180-5-567296 研究所テオリア)に振込ください。会場参加は当日払いで構いません

◆参加費 1000円(テオリア会員500円)

主催 研究所テオリア
東京都北区田端1-23-11-201 TEL・FAX 03‐6273-7233
 E-mail:email@theoria.info

日本政治の分岐点

▼岸田自公政権は敵基地攻撃能力(「反撃能力」)保有と「防衛費」倍増という日本の政治・財政の大転換を押し進め、通常国会で次々制定された法律が示すように、外国人・マイノリティの人権、民主主義、気候危機をないがしろする政治が大軍拡・原子力推進と一体になって進んでいます。
 2023年4月の統一地方選・衆参補選では自公が横這い・辛勝、「リベラル・左派」が敗北する中、「右派ポピュリズム」=維新が議席を伸ばしました。22年参院選から続く傾向です。2012年からの保守・リベラル・ネオリベの三極構造は揺らいでいます。
 今春以降の世論調査では維新が政党支持率で野党トップとなり、維新は次期衆院選での野党第一党を目標に自民・維新の保守二大政党の構図をめざしています。世界的な新自由主義(ネオリベ)改革の見直し・再公営化の流れの中で、日本では維新に代表される「ネオリべ改革」(減税、緊縮財政、民営化)への根強い支持が続いていることになります。
 ヨーロッパや中南米では、住民生活と公共性を破壊してきた新自由主義に対して、地域住民主導で「公共(コモンズ)」の力を回復していく「ミュニシパリズム(地域主権主義)」の潮流が勢いを増しています。
 4月統一地方選挙でも、杉並区では岸本聡子区長誕生(22年6月)からの市民参加の流れによる投票率上昇もあって自民が議席を減らし、岸本区長と連携する女性議員・新人議員が多数上位当選するという変化が起きました。全国的にも杉並など9つの自治体議会では女性議員が半数以上となるなど変化の兆しがみられます。
 シンポジウムではイメージと裏腹に「小さな政府」にはなっていない維新の財政運営の実態について吉弘憲介さん(桃山学院大学)、日本のミュニシパリズムの可能性について、杉並区長選挙の岸本聡子選対責任者を務め、岸本区長の政務をサポートする内田聖子さんに話してもらいます。(2023年8月)

講師プロフィール
吉弘憲介 よしひろけんすけ。桃山学院大学経済学部教授。財政学、租税政策。1980年生まれ。論考に「検証・大阪維新の会の財政運営 普遍主義に潜む社会的分断」(「世界」2023年6月)、「居住福祉と社会資本」(『現代社会資本論』(有斐閣)所収)など

内田聖子 うちだしょうこ。NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表。NPO法人日本国際ボランティアセンター理事。22年6月杉並区長選挙で岸本聡子選対本部長を務め、岸本区長の政務をサポート。共著に『自由貿易は私たちを幸せにするのか?』(コモンズ)、編著に『日本の水道をどうする!?――民営化か公共の再生か』(コモンズ)など

◆研究所テオリアのこれまで
 研究所テオリアは2012年9月に発足シンポジウム「グローバル資本主義の行方とグローバル対抗運動の課題」、第2回「脱成長・脱貧困の社会ビジョン」(13年)、第3回「徹底検証 安倍『成長戦略』」(14年)、第4回「『負け組』をつくらない社会の創り方」(15年)、第5回「『分断』から連帯の社会へ」(16年)、第6回「安倍一強政治の“終焉” 民主主義と社会保障のこれから」(17年)、第7回日本の政治と社会を立て直す(18年)、第8回《生きづらさ》を強いる社会のこえ方(19年)、第9回「コロナ時代」を生き抜くために(20年)。第10回中国はどこに向かうか(21年)、社会運動から政治を立て直す(22年)を開催。
 この1年、研究所テオリアは、デジタル監視社会、脱成長の立場から日本経済の衰退と再生、改定安保3文書、日本の政治・財政、日本の「性差別」などのテーマでの講座、座標塾、国連・憲法問題研究会などの開講、新聞テオリア発行などを行い、民衆の新しい変革の理論・思想をめざし、活動を継続してきました。