第14回シンポジウム「持続可能な共生社会を考える――排外主義の台頭の脅威と闘うために私たちには何が求められているのか」開催

11月15日、研究所テオリア第14回シンポジウム「持続可能な共生社会を考える――排外主義の台頭の脅威と闘うために私たちには何が求められているのか」を開催した。

シンポジウムでは、温井立央さん(在日クルド人と共に)が講演「排外主義と地域社会」。
「埼玉県で在留外国人が最も多いのが川口市。対象を変えて外国人に対するヘイトデモが続いている。23年入管法改定審議の頃から、クルド人の店に嫌がらせの電話が頻繁にかかり、当会にも誹謗中傷のメールが届き始めた。ヘイトがエスカレートしている。
 入管庁は「不法滞在者ゼロプラン」をまとめ、川口市議会は偏見・差別を煽る意見書を採決。埼玉県議は「外国人に基本的人権はない」と公言。埼玉県知事はトルコとのビザ一時停止要望を表明した。
 把握しているだけで、子どもを含む30人以上がこの間強制送還されている。子どもたちの心中はいかほどか。オルドアン政権のトルコでは著しい人権侵害が続いている。
 参院選では「外国人優遇」という誤った情報に基づくキャンペーンが行われた。日本では差別禁止法がなく、多くの加害者が「表現の自由」を謳歌している。ヘイトの先にあるのが関東大震災での虐殺。
 私たちはクルド人コミュニティ、地域住民に相互理解を促して、ともに社会をつくる。日本語教室、医療相談、相互理解のためのイベント、ごみの出し方についてのチラシ作成、クルドヘイト裁判の支援などを行っている」

 鳥井一平さん(移住者と連帯する全国ネットワーク)は「移民社会日本と排外主義」
 「ヘイト、ゼノフォビアが選挙の名を借りて公然と跋扈した。ヘイトに乗っかる政府が官製ヘイトをしている。
移民と言わず、「外国人」と言ってきた問題がある。日本における移民労働者受け入れ政策は一貫した「使い捨て」政策。ニューカマーに対してはオーバーステイ容認政策、日系ビザ、外国人技能実習制度、特定技能と続き、27年育成就労制度が創設される。
「外国人問題」キャンペーンは23年入管法改定をめぐる報道がきっかけ、
ヘイトを拡散する人たちと会ってわかったのは、彼らはあしたの社会を議論しようとしない。移民のせいにするのが常套手段。
 移民はなぜ日本に来るのか、日本社会が誇るべきことは「戦後民主主義」。戦争をしないさせない。核を持たない。
 ウソやデマに私たちは惑わされない。多民族多文化共生社会はすでに始まっている。移民・難民は民主主義を体現する存在。「外国人問題」は私たちの民主主義を問うている。基本的人権、社会福祉は立ち止まってはいけない。労使対等原則が担保された多民族多文化共生社会へ」
シンポジウム内容は、新聞テオリア1月号に掲載予定。